リコー MoE型マルチモーダル大規模言語モデル「リコーLMM_35B-A3B」を開発

リコー 2026年10月15日発表


 リコーは、日本語の文書や図表を高精度に理解し、高速・省リソースで動作するマルチモーダル大規模言語モデル(LMM)「リコーLMM_35B-A3B」を、このほど開発した。本モデルは、アリババクラウドが開発・提供するMoE(Mixture of Experts)構造を採用した「Qwen3.6-35B-A3B」をベースに、リコー独自の強化学習およびカリキュラム学習技術を活用して、日本語でのリーズニング性能を高めたものである。

 本モデルは、総パラメータ数約350億のうち、推論時に約30億パラメータのみを選択的に稼働させるMoE構造を採用している。これにより、同規模のDense型モデルと比べて推論時の計算量を抑え、高速・省リソースな処理を可能にしている。
 図表を含む日本語ドキュメントのリーズニング性能を評価するリコー独自のベンチマークツール「JDocQA Reasoning Benchmark」による評価の結果、ベースモデルを上回り、商用クラウドAIモデル「GPT-5.6 Sol」と同等水準の性能を確認した。
 あわせて、NVIDIAのBlackwell世代以降のGPUで効率的に動作するよう量子化したリコーLMM_35B-A3BモデルのNVFP4版を開発し、超小型デスクサイドAI用サーバー「NVIDIA DGX Spark」1台で実用レベルの生成AI処理を実現した。
 本モデルは、11月から順次「RICOH オンプレLLMスターターキット」に搭載し、リコージャパンから提供予定である。2026年6月に発表した高精度志向のDense型モデル「リコーLMM_27B」、より軽量な「リコーLMM_9B」に、速度と省リソース性に優れた本モデルを加えることで、求められる精度や処理速度、利用可能な計算資源など、顧客の業務要件や導入環境に応じて最適なモデルを選択できるラインアップを拡充する。