リコー 2024年度入社式 大山社長から新入社員に向けた言葉

リコー 2024年4月1日発表


大山晃 代表取締役 社長執行役員
大山晃 代表取締役 社長執行役員

2024年度 新入社員の皆さんへ
株式会社リコー 代表取締役 社長執行役員 大山 晃

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
 リコーでは、世の中がどのように移り変わっても、創業以来変わらず大切にしていることが2つあります。皆さんをリコーグループの一員として迎えるにあたり、今日はそのことについてお話したいと思います。

 1つ目は、リコーグループの創業の精神である「三愛精神の実践」です。
 創業者 市村清は、「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という三愛精神を提唱しました。今でも経営や事業活動の拠りどころ、私たちの理念として受け継がれています。私は入社以来、多くの経験をしてきましたが、悩む時にはいつもここを原点にして参りました。
 「人を愛す」というのは、社員を大切にし、お客様を始め事業に関わる全ての人々の利益を考えることです。
 そして、「国を愛す」。これを今の時代で解釈するならば、「地球を愛する」ということなのだと思います。この地球を次の世代、そしてその次の世代へと繋いでいく為に、自分の属する社会の発展の為に、今何をしなければならないかを考え、実行に移していくことが私たちの使命であると考えています。
 最後に、「勤めを愛す」です。はたらく事を愛するというのは、とても意味深く、私たちの事業に示唆を与えてくれています。自ら熱意と責任感を持って主体的に業務に取り組むことで、充実感や達成感を得ることができる。それが、勤めを愛すことにつながるのではないでしょうか。私たちはリコーにおいて、皆さんがそれを実践できるような環境づくりを進めています。

 もう1つ、変わらずに大切にしているのは、お客様の“はたらく”に寄り添い続けているということです。
 皆さんは「OA」という言葉、耳にしたことがあるでしょうか?OAとはオフィスオートメーションの略で、情報機器を用いて定型的な事務作業を自動化、効率化することを表す用語として幅広く使われてきました。実はこの言葉は、リコーが、1977年に提唱したのです。「機械が出来る事は機械に任せて、人はより創造的な仕事をするべきである」。リコーはそれ以来、半世紀近くにわたり、オフィスの効率化や生産性向上、そしてはたらく人が創造性、お客様の生み出す力を発揮するお手伝いをしてきました。

 リコーは、2036年に創立100周年を迎えます。リコーが100歳を迎える節目にどんな会社になっていたいか、世の中から何を期待される存在になっていたいか、皆で考えました。そして、そのたどり着いた先が、「"はたらく"歓び」を提供するお手伝いができる会社にしたい、ということです。
 ここ数年で、テクノロジーは大きく飛躍しました。生成AIを筆頭に、デジタルの領域については特に、目まぐるしい勢いで新たな技術とその技術を活用したサービスが生まれています。コロナ禍を経て、お客様の働く環境、働き方も大きく変化しました。テクノロジーの進化により、人がやっていた仕事の多くを機械がやってくれる時代が訪れると言われていますが、昨今の環境変化を振り返ると、その時代の到来が着々と近づいていることを感じます。加えて、はたらく人々自身にも変化が見られます。収入を得るという経済的なニーズに加えて、「充足感・達成感」という心理的なニーズがさらに高まってきています。“はたらく”ということに、人にしかできない創造力の発揮がもたらす歓びを重視するようになってきているのです。この傾向は、今後ますます顕著になっていくと考えます。テクノロジーの力で単純作業から解放されると、それにより生まれた時間で、人は創造的な仕事に取り組めるようになります。そうすることで、人は充足感や達成感というような“はたらく歓び”を感じられるようになると、私たちは信じています。どの時代においても、リコーは常にお客様の“はたらく”に寄り添い、新たな価値を提供し、はたらくことに歓びを感じられる持続可能な社会を実現していきたいと考えています。

 そしてその実現のためには、社員の皆さんが、仕事を通じてお客様の新しい価値を生み出すことで、はたらく歓びを感じることが重要です。なぜなら皆さんのモチベーションが会社の宝であり原動力だからです。当事者意識を持って自律的に仕事に取り組む社員が働きやすい会社をつくる、それが、社長である私の使命です。

 今日から、皆さんは仲間です。ぜひ力を合わせて、新しいリコーを創り上げて行きましょう。
 これからどうぞ宜しくお願いいたします。