セイコーエプソン 2024年度新入社員入社式 社長による新入社員に向けた挨拶趣旨

セイコーエプソン 2024年4月1日発表


エプソン 小川恭範代表取締役社長
小川恭範代表取締役社長
エプソン入社式の様子

 セイコーエプソンは、4月1日に2024年度新入社員入社式を開催した。同社の小川恭範代表取締役社長による新入社員に向けた挨拶趣旨は以下の通りである。


 世界の情勢、これはめまぐるしく変化しています。新型コロナウィルスの影響は、皆さんの学生生活に大きな影響をもたらし、私たちエプソンの仕事のやり方も大きく変化し、そして進化しました。その後の世界的なインフレと景気後退、さらに各地で勃発する戦争、地政学リスク、急激な為替変動。ものすごいスピードで世界は動いています。エプソンのビジネスは、その80%程度が海外で行われています。こういった世界の変化にいかに素早く適切に対応できるかが問われています。そのためには、柔軟な考え方、多様な考えが重要になります。

 そういう意味で、私は毎年、新入社員の皆さんに一貫して言っていることがあります。それは、これまでの学校での学びと会社で働くことには、大きく違うことがひとつある、ということです。それは、「正解のある世界」と「正解のない世界」の違いだ、ということです。これまでの、特に義務教育を中心とした学びの多くは、ひとつの正解が決まっており、その正解にいかに早くたどり着けるか、これが勝負だったかと思います。もちろん、高校、大学に進むにつれて、そうでない思考を深め、広げるものもあったかとは思いますが、学校での勉強の多くは、ひとつの正解にどうやって早く辿り着くか、ということが重要視されてきたと思います。ところが、これからは大きく違います。会社での仕事とは、いわば、「正解のない世界」です。皆さんは、まさにこの「正解のない世界」に足を踏み入れた、ということです。

 この「正解のない世界」とは、「たくさん正解がある世界」と捉えることもできます。このような世界では、考え方は自由です。多様な考え方こそが大切です。そして何よりも大切な事、それは自ら考えること、試行錯誤を繰り返すことです。人に言われてではなく、自ら考え行動することこそが重要です。もちろん、多様な考えを理解し、受け入れながら、独りよがりにならないことも同時に大切な事です。自ら考え行動すれば失敗する確率は増えます。しかし、失敗を恐れないでほしいです。なぜなら失敗から学ぶことは多いからです。失敗した数だけ人は成長できるはずです。失敗を繰り返しながら成長する。それが働く喜びにつながるはずです。

 そして、もうひとつその際に大事な事、それは常に目的を明確に意識することです。「なぜ」、「何のために」。これを常に意識し、深く考え、そして、行動してください。

 最後にパーパスです。「『省・小・精』から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る」。これがエプソンのパーパスです。
 先に、世界はものすごいスピードで変化していて、これに柔軟に適切に変化しながら対応していくことが大切である、とお話しました。しかし一方で、変えてはいけない、ぶれない軸が必要です。軸とは、すなわち私たちの存在目的であり、志です。これが、パーパスです。パーパスは変わりません。私たちが常に意識し、実現していきたいことです。
 皆さん一人一人も同様です。変化成長する自分と、ぶれない信念に基づいた姿勢、この両面が常に必要です。自分の存在意義は何か、目指すものは何か、そんなことを常に考えながら自らの軸を作っていってください。

【セイコーエプソン株式会社 入社式概要】
《会場》 本社(長野県諏訪市)
《日時》 2024年4月1日 8時30分〜
《新入社員》 373名(単体)