リコーとリコージャパン ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始

リコー/リコージャパン 2024年2月1日発表


 リコーとリコージャパンは、馬込第三小学校(東京都大田区)および厚木市役所本庁舎(神奈川県厚木市)において、ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始すると、2月1日に発表した。

 ペロブスカイト太陽電池は、有機材料で作られているため軽量で、照度の低いエリアや垂直設置でも 発電が可能という特徴があり、既存のシリコン系太陽電池に代わる発電技術として注目を集めている。
 一方で、屋外での耐久性にはまだ課題があり、本実証実験では、因幡電機製作所、竹中製作所、立花電子ソリューションズ、大阪エヌデーエスと連携し、屋外設置の庭園灯の電力としてペロブスカイト太陽電池を設置し、発電量や電池の耐久性を検証する。また、馬込第三小学校では、子供たちの次世代太陽電池・エネルギーの関心が高まるような取り組みになるよう、課外授業も含めた取り組みも進めていく。厚木市役所では、本庁舎前における実証を通して市民に先進的な取り組みを紹介するとともに、道路や公園での活用に向けたデータの計測等の実証を行う。

 リコーは、複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用し、低照度の室内光でも発電する固体型色素増感太陽電池を世界で初めて販売している。また、2023年からはセブン-イレブン店舗において次世代太陽電池の実証実験を国内で初めて行っている。今回の実証実験を通じて、ペロブスカイト太陽電池の早期事業化を目指す。

 大田区、リコー及びリコージャパンは、それぞれの持つ資源を活用して連携及び協力し、SDGsの普及啓発及び達成に向けた取り組みを推進することで、持続可能なまちを実現することを目的とし、2023年7月に連携協定を結んだ。その実施事項の一環として、今回の実証実験を開始した。
 厚木市は、脱炭素重点対策実施地域として、厚木市カーボンニュートラル推進ネットワークを設置しており、リコーを含む市内事業所や大学、金融機関などとともに2050年カーボンニュートラル達成を目指して取り組んでいる。今回は、その一環として本実証実験に関する覚書を締結し、実験を開始する。

ペロブスカイト太陽電池について学ぶ馬込第三小学校の子どもたち
ペロブスカイト太陽電池について学ぶ馬込第三小学校の子どもたち

【実証実験の概要】
 《実施内容》
 小型の街灯(庭園灯)にペロブスカイト太陽電池とセンサーを搭載し、温度・湿度・照度など様々な環境におけるペロブスカイト太陽電池の発電量や耐久性などの特性データを収集する。また、太陽電池で発電した電気を使って点灯し、夕方〜夜間の街灯として活用する。

 以下のURLから、温度や湿度等のリアルタイムデータの情報を確認することができる。
 (馬込第三小学校) https://custom.brickeiotcloud.com/ricoh/perovskite/lighting/7164/
 (厚木市役所本庁舎) https://custom.brickeiotcloud.com/ricoh/perovskite/lighting/2257/

 《実証場所・期間》
 馬込第三小学校(東京都大田区) : 2024年1月31日〜2025年1月30日
 厚木市役所本庁舎(神奈川県厚木市) : 2024年3月1日〜2025年2月28日