エプソン YUIMA NAKAZATOとパートナーシップを締結

 セイコーエプソン(以下 エプソン)は、YUIMA NAKAZATOと、環境負荷を低減しながら、ひとりひとりの多様なニーズに応える高品質な衣服づくりを可能にするための技術研究や仕組みづくりを通し、ファッション業界の変革を目指すパートナーシップを締結すると、10月20日に発表した。

■本パートナーシップの目的
 エプソンのデジタル捺染技術は、精細なグラデーションや微妙な色調の再現が可能であり、刷版を必要としないため小ロット短納期の生産に適しているほか、水やインク、化学物質の使用量を大きく削減し環境負荷を低減することが可能である。
 本パートナーシップでは、ファッション産業において衣服を生産する工程で環境への負荷を低減することや、大量に同じデザインを供給する従来の方法から、ひとりひとり異なる個性を尊重した多様なデザインを提供できる最適生産の形を実装すること、さらにそれらを実現する未来に向けたテクノロジーの開発や研究を両社で進める。

YUIMA NAKAZATO
YUIMA NAKAZATO

■本パートナーシップの取り組み
<短期的な取り組み>
・YUIMA NAKAZATOの表現の可能性を最大限に広げる
 エプソンは、2021年よりYUIMA NAKAZATOのパリオートクチュールファッションウィークにおけるコレクション制作をサポートしてきた。具体的には、エプソンのソリューションセンター富士見を活用し、シルクオーガンジーなど極薄素材への印刷により素材の選択肢を広げている。また、デザイナーの中里唯馬氏がデッサンした繊細なタッチや濃淡をプリントで再現させながら、デザインサイズの制約も取り除くことで、クオリティを追求した作品を完成させた。
 今後も、YUIMA NAKAZATOとインクジェット技術を用いた新しい衣服の可能性を開拓する取り組みを進める。
・低環境負荷の工程と表現の自由度との両立を実現
 YUIMA NAKAZATOのコレクション制作において、デジタル捺染技術を活用することで、水資源保全、適量生産、クリーンな生産工程を実現している。また、捺染の後工程で行われる「蒸し」や「洗い」といった工程を必要としない顔料インクを採用している。今後も、水の使用量を削減することにこだわり、低環境負荷の工程と表現の自由を両立させた衣服づくりを発信していく。
・適時、適量、適地生産の実現
 デジタル捺染は、短納期・在庫レスを実現し、多様なニーズに応えた1着からの生産や、生活者に近い場所での生産を可能にする。これにより、こだわりの逸品を、必要な時に、必要な量だけ作りだすことで、YUIMA NAKAZATOが描く、無駄を出さないバリューチェーンの実証実験を行う。

<中長期的な取り組み>
・さらなる表現の幅を広げるYUIMA NAKAZATOのコンセプトを体現するため、衣装制作から空間制作まで、エプソンの技術を用いて総合的なサポートを行う。
・新素材生地とデジタル捺染を融合し、新しい衣服づくりの可能性に挑戦する。
・エプソンのドライファイバーテクノロジーを活用することで、コレクション会場で使用した紙の彫刻(造作)を再生し、別の用途で使用するための研究や、さらに、繊維の再生についても研究を行い、循環型サプライチェーンの可能性を検討する。

■本パートナーシップの目指す姿
 エプソンは、YUIMA NAKAZATOが掲げる「全ての人に1点ものがもたらす喜びを」というコンセプトのもと、ともに環境負荷を低減しながら、ひとりひとりの多様なニーズに応える高品質な衣服づくりを可能にする技術やプロセス、仕組みの提供を通して、ファッション業界におけるバリューチェーンの進化を実現する。