OKIのAIチャットボット採用 伊那市「移住ライフデザイン」が運用開始

 OKIは、長野県伊那市に、移住希望者が簡単な質問(年齢、仕事、住まいの希望など)に答えることで、その人に合ったライフプランを提案するAIチャットボットを納入し、7月20日より伊那市が「移住ライフデザイン」として運用を開始したと、同日発表した。「移住ライフデザイン」は、伊那市公式LINEメニューなどから利用できる。

 同システムは、OKIのAI対話エンジン「Ladadie」をベースとした、移住希望者の推奨ライフスタイルを推論するAIチャットボットである。移住希望者が入力する自由文からキーワードを抽出する。さらに、移住者の実績データやe-Stat(政府統計の総合窓口)などの公開データと蓄積した回答履歴をもとにAIが推論し、伊那市での暮らし・住まい・仕事などの「おすすめプラン」を提案する。同システムを利用することにより、移住希望者の移住に関するさまざまな不安解消の一助となり、移住促進、伊那市のまちづくり、地域活性化に貢献していく。

 伊那市とOKIは、2020年に包括連携協定を締結し、新たな価値を創造する拠点づくりに向けて、AIやIoTを活用した実証や人材育成での連携を図りながら、さまざまな地域課題解決に向けて取り組んでいる。人口減少時代に突入している現在、都市部に人口が集中することで、労働力不足や後継者不足による地方経済の低迷・社会持続可能性の低下が、伊那市をはじめとする地方自治体の大きな課題の1つになっている。

 これらの課題を解決するためOKIは、人と自然な対話を実現するAI対話エンジン「Ladadie」を活用し、移住希望者向けの問い合わせに自動回答する「AIチャットボット」の開発および伊那市における実証を2020年より行った。その後、2021年に伊那市民の問い合わせに対し自動回答を行う実証を経て、2022年に移住者向けの「移住ライフデザイン」サービスを伊那市がスタートした。