NEC 顔認証技術とSSS社の最先端AIカメラを融合した入退管理ソリューション発売
日本電気 2025年5月12日発表

NECは、顔認証技術とソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)のAIチップを搭載のカメラを融合した、入退管理ソリューションを5月より販売開始する。
業界をリードするSSSのイメージセンサーによるエッジAIセンシング技術と、NECが持つ世界No.1の精度を誇る顔認証技術により、これまで設置場所の光環境を理由に導入が困難だった業種やシーンにおいても、プライバシーやセキュリティに配慮した安全・安心な入退管理システムを導入できる。
本件は、2024年11月に開始したNECとSSSによる顔認証ソリューションの戦略的協業の一環である。本入退管理ソリューションは、今年10月よりNECのセレスティン芝三井ビルディングにおいて先行利用が決定しているほか、SSSのグループ会社内での利用も検討されている。NECは、こうした「クライアントゼロ」の取り組みよって蓄積した実績・ナレッジを顧客に還元することで、スムーズな導入と運用を実現している。
販売価格は、税別13万4,000円〜(カメラ1台とそれに伴うソフトウェアの構成を想定)。3年間で導入社数100社以上を目指す。
近年、顔認証技術は入退管理やセキュリティを目的に、空港やテーマパーク、オフィスなどで導入が拡がっている。これに伴い、多様な現場での導入を検討する企業が増える一方、認証精度を担保するための設置場所の制限および端末費用・運用コスト、プライバシーやセキュリティへの不安などが導入の課題となっていた。
今回、両社が有する最先端技術を融合したことにより、高い認証精度を維持しつつ様々な場所やシーンで活用でき、さらに低コストでプライバシーにも配慮した入退管理ソリューションを実現した。
■本入退管理ソリューションの特長
(1)光環境の変化への優れた適応力を備え、多様なシーンにおいて高い認証精度を実現
一般的に顔認証技術の性能や信頼性は、設置環境に大きく左右される。特に、低照度、逆光、斜光などの条件下では、認証精度の低下や設置場所に制限が生じることが課題だった。今回の、手のひらほどの超小型サイズであるAIカメラには、NECが開発した光環境の変化に強いAIモデルが搭載されている。このAIカメラとAIモデルを融合することで、窓がなく十分な照度を得にくい工場や倉庫、夜間に照度が変動する店舗、外光の影響を受けやすいテーマパークやスタジアムなど、従来、設置環境が原因で導入が難しかった施設への導入と高い認証精度を実現する。
(2)導入・運用コストの軽減とセキュリティ強化の両立
従来、顔認証に必要な顔の特徴量抽出やなりすまし対策を実施するには、高性能かつ高価格な専用端末が必要だった。本入退管理ソリューションのカメラは、他社製品に比べて価格を約40%低減し、導入コストの抑制を可能としている。また、状況に応じてリアルタイムで画質の最適化を実施し、カメラ内部で顔の特徴量抽出を行うことができるため、厳格な本人確認を実現しつつ、現場でのカメラごとの設定調整や運用管理の手間を軽減する。さらに、顔画像をクラウドに送信する必要がないため、個人情報の漏洩リスク低減によるセキュリティ強化と管理コストの抑制を実現する。