キヤノンITS 画像解析AIシステム開発の効率化を支援 画像AI連携プラットフォームを提供開始

キヤノンITソリューションズ 2024年3月27日発表


 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、画像解析AIシステムで必要なWebシステムをクラウドで提供し、APIの利用により、手軽な画像解析を支援する画像AI連携プラットフォーム「Bind Vision」を4月1日より提供開始した。

 技術の進歩や人手不足を背景に、人間の目視作業の代替となるAIを活用した画像解析市場は成長を続けている。画像解析の活用範囲は、人物判定を用いた防犯/セキュリティ分野、人流/混雑解析などのマーケティング分野、製造や流通業界での物体を判定する不良品解析や設備保守点検など多岐に渡る。一方、一般的に画像解析AIシステムを開発する際は、AIの学習/評価/開発のほか、カメラ設置やサーバ構築などさまざまな作業が必要である。中でも、認証機能やセキュリティ機能を搭載したユーザーインターフェースを提供するWebシステム開発には、多くの工数が掛かるため、画像解析AIシステム全体の費用が高額となり、納期も長くなるといった課題がある。

 画像AI連携プラットフォーム「Bind Vision」は、画像解析AIシステムで大きな割合を占めるWebシステム開発部分をクラウド提供するサービスである。Webシステム機能を担う「プラットフォーム」をベースに、独自開発画像解析AI「クラウドAI」と「エッジAI」を加えた3つの要素で構成される。「プラットフォーム」は、Web APIによる画像や数値データの登録/配信機能を提供する。利用者が開発したAI解析結果の受信も可能である。「プラットフォーム」が受信したデータはデータストアに保存され、ブラウザ上のダッシュボードから手軽にグラフィカルにデータを閲覧することができる。また、「クラウドAI」に搭載の煙検出AI機能や「エッジAI」に搭載の水位測定AIを防災用途に利用することが可能である。

 キヤノンITSは、「Bind Vision」の提供により、さまざまな分野における画像解析AIシステムの導入のハードルを下げ、利用機会を拡大させるとともに、AI市場の拡大に寄与する。今後、「Bind Vision」の3つの構成要素それぞれに新たな機能を追加するほか、AI映像解析により店舗におけるDXを促進する自社開発ソリューション「StoreMotion」や、キヤノンが開発する画像解析FAソリューション「Vision Edition」との連携を計画しており、画像/映像解析による提供価値と利用用途の拡大を図っていく。