キヤノン 商業印刷向けB3サイズ対応カラーIJデジタルプレスを2024年4月に発売
キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン 2023年10月12日発表
キヤノンは、商業印刷向けB3サイズ対応インクジェットデジタルプレスの新製品として、「varioPRINT iX1700」(想定価格 税別5,000万円)を2024年4月に発売すると、10月12日に発表した。
小ロット・短納期での注文に対応するためデジタル化が進む商業印刷の現場では、多様化する顧客ニーズにより柔軟に対応することが求められている。新製品は、A4サイズで毎分170枚、B3サイズで毎分73枚の高速印刷が可能なデジタル印刷機である。新開発のインク循環機構搭載の高精細プリントヘッドと高濃度ラテックスインクの採用によって、高い稼働率を達成しながら、高品位印刷に優位とされるオフセット印刷に迫る印刷品位を実現する。現場の生産性向上やデジタル印刷で対応できる印刷物の拡大に寄与し、印刷事業者のビジネス発展を支援する。
■インク循環機構を搭載した高精細プリントヘッドによる安定稼働
2,400×1,200dpiの高解像度を実現する新開発のプリントヘッドは、インク循環機構を搭載し、インクを吐出するノズル内のインク粘度を最適化している。また、高度な加工技術によって精緻な流路を実現したことで、高密度で配置したノズル1つひとつの先端までインクが循環し、安定した印字ができる。さらに、所定の累計印刷時間ごとに自動でクリーニングを行うメンテナンスシステムでプリントヘッドのインク吐出部分を良好な状態に保つため、高い印刷品位で長時間の連続印刷が可能である。
■高濃度ラテックスインクによる用紙の風合いを生かした高品位な印刷
広色域の印刷が可能な新開発のラテックスインクを採用している。オフセット印刷と同等の薄いインク層で、用紙の風合いを生かした印刷ができ、表面の質感に特徴のあるラフ紙を使用した冊子や鮮やかな画像が好まれるカタログなどの制作で高い表現力を発揮する。定着工程では耐擦過性に優れた強固なラテックス膜が形成されるため、人手に触れる機会の多いメニューなどの印刷にも適している。
■レジ補正機構とエア給紙システムによる高精度な画像位置合わせと安定した用紙搬送
用紙の斜行と横位置のずれを同時に補正する新開発のレジ補正機構で、高い画像位置合わせ精度を達成している。また、給紙時に用紙の進行方向前側から空気を吹き付けるエア給紙システムにより、密着しやすいコート紙なども1枚ずつ搬送できるほか、進行方向後ろ側にもファンを追加したことで、長尺用紙などサイズの大きな用紙の分離性能も向上し、安定した用紙搬送を実現している。