NEC 自動販売機で顔認証決済を実現 サービスを提供開始

NEC 2023年4月24日発表


 NECは、生体認証「Bio-IDiom」の中核技術であり、世界No.1の認証精度を有する顔認証技術を自動販売機の決済に活用できるサービスを、4月24日より提供開始した。これにより利用者に高い利便性を提供し、また、物品の持ち込み制限のため現金やキャッシュレス決済を利用できず自販機の設置が困難な場所への新規設置も可能となり、自販機事業の強化に貢献する。
 NECは、本サービスを飲料企業などに提供し、今後5年間で5,000台の自販機への導入を目指す。既に、伊藤園で5月中旬の先行導入が決定しており、その他複数の飲料企業も導入を検討している。
 参考価格(税別)は、最小導入数20台の標準価格で、初期費用450万円、月額費用15万円。

■サービスの特長
 NECが飲料企業などに対して、顔認証決済を行うためのクラウドサービスと、顔認証決済アプリを搭載したタブレット端末を提供する。本サービスは新設自販機への取り付けだけでなく、既存自販機への後付けも可能である。
 これにより利用者は、現金やキャッシュレス決済可能なカードやスマートフォンなどがなくても、手ぶらで利便性高く飲料を購入できるようになる。また工場、建設現場、高いセキュリティが求められる施設など、物品の持ち込みに制限がある場所でもスムーズに購入可能になり、飲料企業による自販機の設置場所拡大に貢献する。さらに、サービスを通して蓄積された利用者の購買日時や金額、年代や性別などの情報を活用した、飲料企業による販売施策の立案や商品企画などのマーケティング活動を支援し、利用者が求める商品の提供に貢献する。
 なお、利用者の個人情報については、利用者本人からの許諾を得た上でマーケティングに活用する。

■本サービス導入の自販機利用方法
 本サービスを導入した自販機を利用する際は、自販機に記載のQRコードをスマートフォンでスキャンし、専用Webサイトで氏名、クレジットカード情報、購入時のパスコード、顔画像などを事前登録する。購入時は、商品を選択し顔認証を行った後、パスコードを入力するだけで購入できる。

■今後の展開
 NECは、2023年度中に本サービスを強化し、生体認証と複数のソリューションをつないでID連携を実現する「Bio-IDiom Services ID連携」と接続可能にする予定である。これにより施設の入退場、PCのログイン、マンションのエントランス、ホテルのチェックインなど、既に様々なシーンで顔認証を導入している場所において、追加登録なく同じIDで顔認証による自販機の決済も実現し、利便性のさらなる向上に貢献する。