医療現場のDXをサポートするOPEReとセイコーエプソンが資本業務提携へ

OPERe/セイコーエプソン 2024年3月26日発表


 株式会社OPERe(オペリ、以下 OPERe)と、セイコーエプソン(以下 エプソン)は、2024年4月に資本業務提携契約を締結し、戦略的パートナーとして連携を強化していくことで合意したと、3月26日に発表した。この提携は、OPEReによる医療現場のDXをサポートするアプリケーション「ポケさぽ」などのビジネスに対し、エプソンのインクジェットプリンター・スキャナーなどのハードウェアやソフトウェアを連携させることで、医療現場で課題となっている人手不足の解決を支援するビジネスの展開を目指すものである。

OPEReの澤田優香 代表取締役(右)と、セイコーエプソンの𠮷田潤吉 執行役員 プリンティングソリューションズ事業本部長

■業務提携の背景・概要
 昨今、医療現場での人手不足から医療スタッフの業務過多が問題となっている。現場では、入院・手術前の患者に対して多くの情報を提供する必要があり、また患者が紙などに記載する項目について重複してしまうケースもある。また、医療スタッフは、患者情報を電子カルテに転記する必要があり、業務負荷増加の一因となっている。
 このような課題を解決するため、OPEReとエプソンは、2023年6月より社会医療法人財団石心会 川崎幸病院(神奈川県 川崎市)にて、入院・手術前の患者が必要な情報についてスマートフォンとEpson Connectを通じて提供することで、医療現場の業務負荷低減や、患者の医療体験向上に関する実証実験を実施した。
 この実証実験にて一定の成果が見られたことから、スマホアプリ(デジタル)と医療現場で不可欠な紙メディア(アナログ)を組み合わせた本格的なビジネス展開に向け、具体的なソリューションの開発を加速させるべく、連携の強化を図る。
 両社は、このビジネス化を通じて、医療DXを実現し、医療現場の課題解決に取り組んでいく。

●「ポケさぽ」とは
 「ポケさぽ」は、患者のポケットにあるスマートフォンから、動画やチャットを用いて患者説明を半自動的に行うシステムである。
 患者説明の「同じ説明を違う患者に」する部分を「ポケさぽ」が担うことで、患者は、いつでも・どこでも・なんどでも患者説明を受けることができ、より安心・より便利に入院・検査・出産・麻酔などに向けた準備を行うことができる。

●「Epson Connect」とは
 エプソンのプリンター・スキャナー・複合機向けのクラウドサービスで、遠隔への印刷、スキャンtoクラウドなどの機能を実現する。エプソンの共創プラットフォームとしてAPI公開し、教育や医療などさまざまな業種・業界における課題解決と新たなソリューションの提供を目的にパートナー企業との連携やオープンイノベーションにも取り組んでいる。
 《Epson Connectの代表的なメリット》
 ・遠隔にあるプリンターに印刷ができる
 ・クラウドにスキャンデータの保存ができる
 ・プリンタードライバーをインストールする必要なく利用ができる