米国クリーブランド・クリニックとキヤノンが戦略的研究パートナーシップに合意 先進的な医用画像活用など

キヤノン/クリーブランド・クリニック財団 2023年11月28日発表


 米国クリーブランド・クリニック財団(以下、クリーブランド・クリニック)とキヤノンは、患者にとってより良い医療を実現する画期的な医用画像ソリューションおよびヘルスケアIT技術の開発を目指す戦略的研究パートナーシップに、11月15日に合意したと、11月28日に発表した。クリーブランド・クリニックの生物医学研究や臨床ケアにおける高い専門性とキヤノンのイメージング技術を生かして共同研究を推進していく。なお、今後、クリーブランド・クリニックのメインキャンパスに隣接する地区に、画像研究・臨床センターの設立を予定している。

 キヤノンは、CT・MRI・超音波診断装置などの医用画像領域における競争力強化とともに、ヘルスケアIT、体外診断事業領域の拡大に取り組み、世界中の医療の発展に貢献している。2023年2月には、米国クリーブランド近郊に「Canon Healthcare USA, Inc.」を設立し、メディカル市場において世界で影響力の大きい米国の市場を深く理解することで、臨床ニーズをとらえたグローバルな製品開発につなげるべく、アップストリームマーケティング活動及び戦略立案活動を行っている。

クリーブランド・クリニックは、病院と研究・教育を統合した非営利の総合医療センターであり、1921年にオハイオ州のクリーブランドに設立された。冠動脈バイパス術や米国初の顔面の移植手術をはじめ、医療分野における先駆者として多くのブレークスルーを起こし、その専門性や高度な医療ケアが米国をはじめ世界中で認められている。

 今回の共同研究では、臨床の視点に立ち研究も行うクリニカル・サイエンティスト(臨床科学者)や研究者、エンジニアなどの専門家からなる組織を超えた横断的なチームにより、最先端の画像診断技術の開発を目指す。循環器、脳神経、筋骨格などの領域を対象に、前臨床画像、臨床画像、画像解析の3つの主要な分野での研究を行う。これらの共同研究をグローバルに展開することも視野に入れている。
 今回設立される画像研究・臨床センターは、「Cleveland Innovation District」の一環として位置付けられる。これは、オハイオ州と同州の経済開発機構であるジョブズ・オハイオ、クリーブランドの医療機関や高等教育機関が連携して、研究の加速・雇用の創出・未来の人材教育を目指して設立された5億ドルを超える規模の官民パートナーシップである。