リコー ドライブレコーダー映像等を活用した路面状況把握の実証実験を開始

リコー 2025年7月31日発表


 リコーは、地方自治体や道路管理会社などの道路管理業務をサポートするため、ドライブレコーダー等のさまざまな映像・画像を解析し、路面の損傷や異常を可視化するサービス「RICOH AI Vision Transformer Service(開発中)」を活用した実証実験を開始した。本実証実験では、あいおいニッセイ同和損害保険、ヒロセ、日映日野と共同で、滋賀県湖南市、甲賀市、日野町の協力のもと、8月1日より路面状況を計測している。

 国内の道路の多くは高度経済成長期以降に整備されたものであり、建設・整備から50年以上経過しているものも多く、老朽化対策の必要性が増している。一方、国家予算に占める公共事業関係費の割合が縮小し、インフラ整備を担う自治体の技術系職員も減少していることから、道路の管理・舗装業務において、時間的・経済的・人員的な負担が大きいことが課題となっている。
 リコーとあいおいニッセイ同和損害保険は、リコーが保有する画像解析技術、あいおいニッセイ同和損害保険が保有する自動車走行データとその分析技術を活用し、インフラ老朽化対策の一環として、道路の管理・舗装業務の効率化・高度化をサポートし、快適・安全な車社会の実現に貢献するための新規ソリューションを検討している。

■取り組みの概要
 本実証実験では、自治体の廃棄物収集・運搬業務を担うヒロセおよび日映日野の清掃車両に、あいおいニッセイ同和損害保険の車載器を搭載することで、路面の凹凸を判定する振動データを収集する。また、同車両のドライブレコーダーから路面の状況を判定するための映像データを収集する。
 さらに、リコーの「RICOH AI Vision Transformer Service(開発中)」と、あいおいニッセイ同和損害保険の「路面状況把握システム」を連携させ、両社の解析技術によって画像データと振動データを分析する。その分析結果を「路面状況把握システム」上に表示することで、路面状況を可視化し、地方公共団体における路面点検の効率化と、補修工事検討支援による道路保全業務の高度化につなげていく。
 また今回、清掃車両の振動データおよび画像データを活用することで、データ取得のための手間やコストを抑えながら、生活道路の路面状況まで網羅的に可視化できるかに関して実現性を検証する。

【実証実験の概要】
《期間》 2025年8月1日〜2026年3月31日
《協業先》 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、株式会社ヒロセ、株式会社日映日野
《協力自治体》 滋賀県湖南市、甲賀市、日野町
《実証実験内容》
 ・振動データと画像データを組み合わせた路面状況分析
 ・分析結果の有用性の確認(路面点検の効率化、補修工事検討支援による道路保全業務の高度化に活用可能か)