リコーが提供する双方向ライブ配信システムを安藤ハザマが社内標準ツールとして建設現場で導入開始

安藤・間/リコー 2024年5月9日発表


 安藤・間(安藤ハザマ)は、リコーが提供する双方向ライブ配信システム「RICOH Remote Field」を、5月から社内標準ツールとして全国の約270現場で導入を開始した。
 現場と事業所での作業内容のリアルタイムでの共有、遠隔現場パトロールや発注者による現場確認など、コミュニケーション業務を効率化し、生産性向上につなげるとともに、技術伝承の確実かつ効率的な実践にも本システムを積極的に活用していく。

RICOH Remote Field システムイメージ

■導入の背景
 2024年問題や少子高齢化、人手不足が進むなか、より効率的に現場を運営していくためには、現場だけではなく本社と支店とがタッグを組んで現場を支援していく重要性が増している。しかし、多数の現場が同時に進行している状況下では、現場までの移動時間が大きなネックとなり、現場を効率的に支援していく上での課題となっていた。質の高い安全指導・品質指導等を1日に複数現場で実施できることが理想的である。
 これらの課題に対して、タブレット端末やスマートフォンを使用した遠隔での現場確認に取り組む中で、新たな課題も出てきた。撮影者側はカメラで両手が塞がってしまい非常に危険なことや、頻繁な画角調整は撮影者の負担が大きい上に、遠隔で現場の映像を見ている側でも「映像がぶれる」「現場全体の状況が把握できない」といったストレスが生じ、現場・遠隔側双方に負担がかかってしまう状況だった。

■「RICOH Remote Field」の概要
 「RICOH Remote Field」は、360度カメラ「RICOH THETA」やウェアラブルカメラなど多彩なカメラのリアルタイム映像を最大4Kの高画質で閲覧しながら通話することができる遠隔コミュニケーションシステムである。以下の特長により、撮影者の負担軽減や、遠隔地でも現場にいるような感覚で映像を視聴できる環境の提供により、現場や遠隔地での課題解決を支援する。
 「RICOH THETA」から配信される360度映像は、配信ルームの参加者それぞれが見たい画角に操作できるため、現場側は「カメラ画角の調整が少なく済む」と同時に遠隔側も「現場全体の状況が把握」しやすい特長がある。
 ウェアラブルカメラを併用することで、高画質映像を「ハンズフリー」で配信することができ、頭部に装着することで、手持ちよりもはるかに「映像のブレが少ない」形で配信することができる。
 「RICOH THETA」による360度映像とウェアラブルカメラによる詳細映像を並べて表示できるのも「RICOH Remote Field」の特長で、全体観を把握しながら詳細を確認できることで、遠隔からでも現場に行った感覚により近い形で支援が可能である。

■安藤ハザマでの導入概要
 安藤ハザマの現場では、遠隔での現場パトロールのほか、遠隔地での検査等で「RICOH Remote Field」を活用していく。具体的には、三脚を取り付けた「RICOH THETA(360度カメラ)」を設置した場所や、ウェアラブルカメラを装着した作業員が撮影している現場の映像を「RICOH Remote Field」を使い、リアルタイムに配信する。ウェアラブルカメラにはマイク・スピーカーもついており、撮影者は操作不要で遠隔側とコミュニケーションを取りながら映像配信ができる。
 現場パトロールや工場における製品検査では、移動時間や移動コストの削減により、従来よりも発注者や現場の負担削減につながり、効率的な現場支援・現場運営に寄与することを検証にて確認済みである。
 「RICOH Remote Field」の全国的な導入により、1現場当たり3~4名で実施しているパトロール・検査業務等を1~2名で行うことが可能になり、50%程度改善する効果を期待している。

■リコーの取り組み
 リコーでは、安藤ハザマへの展開と同時に、多くの現場を有する企業向けに「RICOH Remote Field」の提供メニューを拡充した。現場事情に合わせたデバイス構成が選択できる3つのプランにより、現場に寄り添ったサービスの提供に努めていく。

《提供プランの内容》
・RICOH Remote Field機材付パック スタンダードプラン
 360度カメラ「RICOH THETA X」およびウェアラブルカメラ「VUZIX M400」の双方を制限なく活用することが可能。各種検査から現場パトロールまで幅広い用途に対応するプラン。
・RICOH Remote Field機材付パック RICOH THETAプラン
 360度カメラ「RICOH THETA X」の活用がメインで、スマートフォンやタブレット端末等で最大2Kの高画質配信も可能。現場全体の効果的な把握に適し、現場パトロールや立会などの効率化に対応するプラン。
・RICOH Remote Field機材付パック ウェアラブル端末プラン
 ウェアラブルカメラ「VUZIX M400」の活用がメインで、作業員視点で最大2Kの高画質映像を安定的に配信可能。作業員による撮影・通話はハンズフリーで実施できることから、細かい作業確認・検査、実際の現場に即した技術支援、技術継承の用途などに対応するプラン。

■今後について
 「RICOH Remote Field」の標準ツール採用は、両社における「未来の現場」を実現するための共創活動の第一歩となる。今後も現場のデジタル化、効率的な現場運営の構築を進め、最前線である現場の困りごとの解決・効率化の先にある“新しいはたらき方”の実現に向けて共に取り組んでいくとしている。