富士フイルムシステムサービス 高度なVR技術のイマクリエイト社と仮想空間でのChatGPT活用の共同研究

富士フイルムシステムサービス 2023年8月29日発表


 富士フイルムシステムサービスは、このたび、高度なVR(Virtual Reality)技術を持つイマクリエイト社と、仮想空間でのChatGPT活用に関する共同研究を開始したと、8月29日に発表した。本研究は、富士フイルムシステムサービスが提供する「薬学事前学習VRトレーニングサービス」の新機能の開発を目指すものである。

 「薬学事前学習VRトレーニングサービス」は、薬剤師が現場で求められる技能を仮想空間において実践形式で学習できるサービスである。コロナ禍で薬学生の実習機会が減少し、教育手法のDXニーズがますます高まる中で、7月より提供を開始している。
 薬剤師は、調剤や器具の操作技能に加え、患者へのフィジカルアセスメントや服薬指導、医師への処方箋内容の確認など様々な場面で臨機応変にコミュニケーションすることが要求される。しかし薬剤師や薬学生の育成現場では、患者に協力してもらうことは容易ではなく、学習の機会や時間も限られるため、より実際の現場に近い形式でコミュニケーションスキルを学べる手段の開発・導入が求められている。

 今回、富士フイルムシステムサービスは、仮想空間で身体を動かして現実のような体験が可能なVR技術を有するイマクリエイト社と共同研究を開始した。本研究では、VR技術とChatGPTの組み合わせで、仮想空間における薬剤師と患者・医師とのコミュニケーションを再現し、実践形式で学習できるコンテンツを開発していく。今後、開発した学習コンテンツを「薬学事前学習VRトレーニングサービス」の新機能として10月に搭載する予定である。

■共同研究によって実現を目指す新機能
 仮想空間内の相手と現実で話しているかのような会話ができる。相手の返答は、学習者が話した内容を受けてChatGPTから出力される。話した内容によっては分かりにくい表現・言い回しで回答が出力されるケースや、相手に伝わらないケースも含めて、現実の患者や医師と話しているかのようなリアルなコミュニケーションを体験できる機能を目指す。

■今後の展開
 富士フイルムシステムサービスは、今回の共同研究で開発した学習コンテンツを「薬学事前学習VRトレーニングサービス」の新機能として搭載し、10月に全国の薬科大・薬学部向けに提供する予定である。今後、新機能を搭載した「薬学事前学習VRトレーニングサービス」を、医学部など各種医療系の教育現場や、卒後研修などの学び直し、さらには実際の医療現場や薬局での服薬指導など、様々な職種や現場に展開することを検討していく。

 【想定している学習内容の一例】
 (1)患者とのコミュニケーション(フィジカルアセスメント、服薬指導など)
 (2)医療関係者同士のコミュニケーション(多職種連携、カンファレンス、疑義照会など)