リコーとUoC、アートアンドプログラム 集合創造知の生まれ方を科学する実証実験プロジェクト始動

リコー 2023年7月14日発表


 リコーは、博報堂が設立した、未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究・開発し、社会実験していく研究機関である「UNIVERSITY of CREATIVITY(ユニバーシティ・オブ・クリエイティビティ)」(以下UoC)と、アートアンドプログラム(株)と共同で、世代や専門を超えた越領域対話における集合創造知の生まれ方を研究する実証実験プロジェクトを始めると、7月14日に発表した。なお同日より、創造性の研究に関心があり、本プロジェクトに賛同し、ディスカッションおよび分析のプロセスへ参加してもらえる参加者を若干名募集している。(詳細は特設ページ=https://uoc.world/mandala/details/?id=w15aenahv9fc

 いま、生成系AIの劇的進化により、未来をシミュレーションする手段は爆発的に増えている。それと同時に、人間が持っている夢想する力や、非連続な未来やまったく新しいアイデアを大胆に描き出す創造性がより求められている。このような時代背景のもと、UoCの持つ創造性研究を通じて得てきた知見と、リコーおよびアートアンドプログラムが開発した次世代会議室「RICOH PRISM」で使用している技術を活かし、多様な対話の中で人々の創造性はいつどのような場面で発揮され、新しいアイデアの創発につながっていくのかを共同で研究するプロジェクトを立ち上げた。
 本プロジェクトでは、幅広い世代・専門領域から参加者を集め、UoCの企画・進行のもと、アイデア創発型のディスカッションを複数回実施する。参加者は、リコーとアートアンドプログラムが開発した専用のセンサータグを装着し、発話内容や発話量を収集。その内容を自然言語処理の技術を用いて解析しデータを可視化(データビジュアライゼーション)することで、複数回のディスカッションの中で発話内容や言語表現の概念体系(モダリティ)がどのように変化し、どのような対話が行われた時に非連続なアイデアが生まれたのか、といったことを分析していく。また、身体的な変化(頷きや姿勢など)などの情報も同時に取得することで、発話内容と行動の関連性も分析し、個人やチームの創造性が発揮される対話のプロセス、新たなアイデアが生まれる対話のプロセスの解明を目指す。今回の研究を通じて、対話を起点に社会や産業の非連続成長の源泉となる未来を描き出す方法や、人々の創造性を発揮する社会の実現に向けて取り組んでいく。