キヤノン 「はんこ」の原理を使った半導体製造新技術の技術動画を初公開

キヤノン 2023年2月27日発表


キヤノン ナノインプリントリソグラフィ
「はんこ」のように回路パターンを押印
15nm以下の細かい回路パターンを実現

 キヤノンは、半導体の回路パターンを形成する半導体露光装置を開発・製造している。現在、15nm以下の細かい回路パターンをつくり出す「ナノインプリント」技術を活用した、新方式の半導体製造装置の開発を進めており、最先端の半導体デバイス製造への適用をめざしている。その精密さは、0.5mmのシャーペンの芯に3万本以上の線を書ける細さに当たる。
 同社は、キヤノン公式サイトに「ナノインプリントリソグラフィ」技術のしくみがわかる動画を初公開したと、2月27日に発表した。

ナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」の外観

■ナノインプリントリソグラフィ
《動画》https://global.canon/ja/v-square/82.html
 現在の半導体デバイスは、ウエハーと呼ばれる土台の上に光で回路パターンを焼き付けている。それに対して「ナノインプリントリソグラフィ」は、ウエハー上に塗布された樹脂(レジスト)に、パターンを刻んだマスク(型)を押し当てて回路パターンを形成する。まさに「はんこ」の原理を使った最新技術は、既存の最先端露光技術と比べて製造時の消費電力を約10分の1まで削減でき、省エネ技術としても注目されている。
 動画では、レジストの塗布から回路パターン形成までの流れをわかりやすく紹介している。