NEC 児童生徒の端末利用状況を見える化 一人ひとりに合った学習指導を支援

 NECは、主に自治体や学校法人向けに、児童生徒の学習用端末であるChromebookの利用状況を可視化したデータをもとに教員の学習指導を支援するクラウドサービス「学びの様子見える化サービス」を、9月14日より販売開始すると同日発表した。価格はオープン価格で、10月下旬に提供開始予定である。販売目標は、2025年度までに累計5億円。

 本サービスは、NEC教育クラウド「Open Platform for Education」および「NEC Chromebook」と連携して利用するもので、児童生徒の端末利用時間や操作頻度、アプリケーションやWebサイトの利用履歴などのデータ収集と、日常の体調や気分、相談などの個別メッセージを教員へ伝達するツールを備え、児童生徒の学びの様子を可視化する。これにより、教員は授業の振り返りを効率的に行うことができ、さらに、端末の利用状況を校内と校外に分けて確認するなど、児童生徒の様々な状況を把握することで一人ひとりに合った学習指導に繋げることが可能となる。

NEC「学びの様子見える化サービス」
端末やアプリ、Webサイトの利用状況を可視化できる

 昨今、文部科学省が進めるGIGAスクール構想によって小・中学校では1人1台の端末が配備され、児童生徒1人ひとりの資質・能力の向上および、学習データの活用による学校教育の高度化に向けた取り組みが拡がっている。また、これにともなってデジタル教科書や各種デジタルツールの利活用が推進され、端末を持ち帰って学習する機会も増えている。
 NECは、本サービスを通じ、児童生徒の学習状況や想いなどを見える化し、教員が個々に適した指導に活用することで、文部科学省が提唱する「個別最適な学び」や「協働的な学び」の一体的な充実に向けた教員の指導や支援に繋げていく。

【新サービスの主な特長】
(1) 端末やコンテンツの利用履歴から授業の見える化や振り返りを支援
 学校や家庭で、児童生徒が端末を利用した時間やアプリケーション・Webコンテンツの利用履歴、端末操作頻度などのデータを見える化することができる。これらのデータと教員との直接的なコミュニケーションを組み合わせ、「児童生徒が学校の内外で計画的に取り組んでいる」「授業中に与えられた問題を早々に解いて他の学習を行っている」「授業時間外でも進んで学習している」といった様々な様子を教員が把握し、得意領域などを踏まえた児童生徒一人ひとりに合った、よりきめ細やかな指導を支援する。
 また、授業中の児童生徒の端末利用状況を時間単位で記録できるため、教員自身の授業の振り返りや他の教員との授業進行内容の共有などに活用することも可能になる。
 さらに、任意の授業時間内の児童生徒の様子や、校内と校外の利用状況を詳しく確認することも可能である。
(2) アンケート機能の活用による児童生徒の状況把握、個別支援を促進
 教員が児童生徒の端末へアンケートを送信し、児童生徒からアイコンによる日々の体調や気分などの回答や個別のメッセージを受け取ることで、簡単に状況を把握することができるツールを用意した。
 児童生徒との対面でのやりとりに加え、この機能を活用することで、教員のきめ細かい声掛けや支援に繋げることが可能になる。
(3) 教育委員会、学校、教員のそれぞれがデータを利活用することが可能
 教員の各児童生徒の状況把握に加え、教育委員会や学校の管理職なども端末利用を介した状況把握ができる。
 教育委員会では、学校毎の端末利用時間、教材やアプリケーションの利用状況を把握することが可能である。また、学校では、各教員間で授業中の端末利用状況を情報共有して、新たな授業方法を検討する機会の創出などに活用することもできる。