キヤノン 京都製作所と資産譲渡契約締結 細胞を大量製造可能な装置技術で

キヤノン 2023年3月23日発表


 キヤノンは、京都製作所が所有する、治療用などに細胞を大量製造可能な装置技術の譲渡を受ける契約を締結したと、3月23日に発表した。

 キヤノンは、2016年からの5カ年経営計画「グローバル優良企業グループ構想」フェーズVにおいて、重要戦略である「新規事業の強化拡大と将来事業の創出」の具体策の一つとしてメディカル事業の強化・拡大を進めてきた。2021年からの新5カ年経営計画(フェーズVI)では、フェーズVからの流れを引き継ぎ、「生産性向上と新事業創出によるポートフォリオの転換を促進する」を基本方針に掲げ、産業別グループへの全社的組織再編を行い、主要グループの一つである「メディカルグループ」の事業競争力強化を図っている。

 キヤノングループのメディカル事業は現在、CTやMRI等の「画像診断」と「ヘルスケアIT」を柱としている。この度の譲渡を機に、再生医療関連の技術創成を加速させ、「バイオサイエンス」領域を強化することで、メディカル事業の拡大を進める。
 再生医療は、体外で人工的に培養した細胞や組織を体に移植するなどして、病気や怪我などで失われた臓器や組織の機能を再生し、状態を回復させる医学技術で、これまで有効な治療方法がなかった疾患の治療が期待されている。
 例えば、再生医療治療の実現に向けては、用途によって異なるものの、細胞を治療に必要な数まで大量に培養する必要がある。今回、譲渡を受ける技術は、一度に大量の細胞を製造できる特徴を持っており、これにより、品質の安定化と品質検査コストの低減が見込まれる。
 キヤノンは、良質で安価な細胞を製造することに寄与し、再生医療のさらなる発展と普及に貢献していく。

■本譲渡の概要
《目的》
 今回の譲渡により、治療用などに細胞を製造するための装置技術を獲得し、3〜5年で細胞製造装置事業の立上げを目指す。なお、キヤノングループでは、2019年8月より京都大学iPS細胞研究所と高品質な自己由来iPS細胞の実現に向けた共同研究を行っている。
《日程》 2023年3月14日に契約締結、2023年5月中旬にクロージング予定
《譲渡対象》 装置、特許、図面等