キヤノン 米国に新会社を設立しメディカル事業を強化

 キヤノンは、米国に新会社「Canon Healthcare USA, INC.」を設立することを決定したと、11月24日に発表した。メディカル市場において影響力の大きい米国で事業の強化を図ることで、キヤノンのメディカル事業の成長を加速する。
 キヤノングループは、今後の成長に向けて事業ポートフォリオの戦略的な転換を進めてきた。2021年からの新5カ年経営計画「グローバル優良企業グループ構想」フェーズVIにおいては、「事業競争力の徹底強化」を主要戦略に掲げている。この考えのもと、メディカル事業においては、CT、MRI、超音波診断装置などの画像診断システム領域およびX線管、X線検出器、MRIの基幹部品などの医療用コンポーネント領域での競争力強化を図っている。また、ヘルスケアIT、体外診断など、事業領域の拡大にも取り組んでいる。
 キヤノンのメディカル事業では、世界最大規模かつ影響力の大きい米国のメディカル市場におけるプレゼンスの向上が喫緊の課題だった。クリーブランドは米国における医療産業の集積地の一つである。そのクリーブランド市近郊を候補地の1つとして、新会社「Canon Healthcare USA, INC.」を設立し、メディカル事業のグローバルでの競争力強化を図る。

 これまで、メディカル事業のマーケティング機能は、キヤノンメディカルシステムズ(キヤノンメディカル)の本社に集中させていた。今回、その機能の一部を新会社に移管し、2023年1月より「グローバルマーケティングセンター」を立ち上げ、アップストリームマーケティングを強化する。最先端医療を担う医療機関とネットワークを構築し、市場を深く理解することで、医療市場のトレンドや臨床ニーズをとらえた製品開発・ソリューション提案につなげる。まずは、フォトンカウンティング検出器搭載型X線CT実用化の研究に向けて米国医療機関との共同研究を開始し、早期にCTの世界シェアNo.1の達成を目指す。また、キヤノンメディカルの米国現地法人であるキヤノンメディカルシステムズUSAによる製品販売・サービスに関する機能の一部を新会社に移設し、ダウンストリームマーケティングと連携させることで、米国における画像診断領域でのシェア向上を目指す。

 新会社を設立する候補地の1つであるクリーブランド市近郊には、2019年にキヤノングループに加わったMRIの基幹部品の開発・製造を手掛けるクオリティー・エレクトロダイナミクス社(Quality Electrodynamics, LLC)があり、これを新会社の傘下に位置づけ、システム事業とコンポーネント事業の連携強化を図る。
 さらに、ボストンにある「Healthcare Optics Research Laboratory(HORL)」でキヤノンが10年に渡って、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)、ブリガム・アンド・ウイメンズ病院(Brigham and Women’s Hospital)と進めてきた先端技術の研究活動をキヤノンメディカルが引き継ぎ、「グローバルマーケティングセンター」との連携の下、事業化を目指した共同研究を進めていく。また、将来的には、米国事業の更なる強化につなげるため、米国内での開発や製造など、他の機能の拡充についても視野に入れている。

【新会社の概要】
《会社名》 Canon Healthcare USA, INC.
《所在地》 アメリカ合衆国 オハイオ州 クリーブランド市近郊(予定)
《代表者》 会長:藤田 浩之(就任予定) / 社長:立崎 寿(就任予定)
《事業内容》 米国およびグローバルにおけるマーケティング、米国におけるコンポーネント事業の統括
《従業員数》 約20人(予定)
《出資比率》 キヤノン株式会社(100%)
《設立年月》 2023年1月(予定)