リコーとエトリア 資源循環を競争力に転換する業界初のモノづくりコンセプト「Circular New」を始動

リコー/エトリア 2026年10月5日発表


 リコーとエトリアは、資源循環を新たな製品価値とモノづくりの競争力につなげる業界初のモノづくりコンセプト「Circular New」に基づく取り組みを開始する。第1弾として、リコーのA3モノクロ複合機に本コンセプトを適用し、2027年前半から日本および欧州で展開する予定である。

 従来のアジア地域の基幹工場における生産方式(集約生産)では約76%だった新規資源使用率を、消費地近接型の循環生産(消費地生産)では業界最高水準となる最小約21%まで低減する。顧客は、従来と同様に最新世代の製品を選択するだけで、性能や品質とのトレードオフなく資源循環に貢献できる。

リコーとエトリア 資源循環を競争力に転換する業界初のモノづくりコンセプト「Circular New」

 「Circular New」は、製品の企画・設計から生産、利用、回収、再活用までを1つの循環として捉え、市場で使用された製品を、新たな付加価値を持った製品を生み出すための資産として活用するモノづくりのコンセプトである。従来の集約生産に加え、日本およびフランスに消費地生産拠点を設け、地域内で資源や部品を循環活用することで、資源循環をさらに拡大する。これにより、新規資源使用量の抑制や長距離輸送の削減などによる環境負荷低減に加え、資源調達リスクや地政学リスクなどの影響を受けにくい生産体制を構築し、安定した製品供給につなげる。集約生産品と消費地生産品を同一の製品ラインアップとして供給し、生産方式の違いによらない一貫した製品価値を提供する。
 リコーとエトリアはこれまでも、再生樹脂や再生鉄などの再生素材を活用し、製品の新規資源使用量の削減に取り組んできた。エトリアは、将来の循環利用を見据え、世代や機種を越えた筐体骨格(フレーム)・部品の共通化、部品の長寿命化、分解・交換しやすい構造などを製品の企画・設計段階から取り入れてきた。こうした設計基盤に加え、製品・部品の状態に関するデジタル情報の活用や選別・品質保証技術を組み合わせることで、再生材の活用に加えて、製品に組み込まれた資源や部品まで活用範囲を拡大し、最新世代の製品への適用を可能とした。
 「Circular New」により、資源循環を環境負荷低減にとどめず、循環するたびに資源や部品を次の世代の製品価値へとつなぎ、モノづくりそのものを進化させていく「進化する循環」を目指す。

■「Circular New」の概要
(1)循環を前提とした製品設計

 「Circular New」では、製品を市場に送り出した時点で終わるのではなく、その製品が将来、次の製品を生み出す資産になることを前提に設計する。世代や機種を越えたフレーム・部品の共通化、長寿命化、分解・部品交換の容易化などを進めることで、市場で活用された製品に含まれる資源や部品を、新たな製品の生産に活用する。従来の再製造機や整備機のように使用済み製品を元の状態に近づけて再び市場に提供するのではなく、回収した製品を資源・部品として活用し、現在の製品ラインアップとして新たに生産・提供する点が「Circular New」の特徴である。
 本コンセプトを採用した第1弾モデルとして、リコーのA3モノクロ複合機「RICOH IM 6010/4510/3510/2510」について、既存の集約生産による製品に加えて、消費地生産による製品を2027年前半より日本および欧州で生産・出荷を開始する。顧客には、従来と同様に、グローバルで共通の品質・機能・保証を備えた最新世代の製品として提供する。同機種の新規資源使用率は集約生産の約76%に対し、消費地生産では最小で約21%まで低減する。

(2)消費地で資源を循環させる「消費地生産」
 「Circular New」では、タイや中国などの基幹工場における集約生産に加え、市場に近い場所で資源を回収し、新たな製品へと循環させる消費地近接型の生産体制を構築する。「RICOH IM 6010」の消費地生産品では、地域内循環により、アジア拠点で生産された同機種の集約生産品と比較してカーボンフットプリント(CFP)を最大で25%程度削減できる見込みである。
 まず、日本のエトリアマニュファクチャリングジャパンの御殿場事業所と、フランスのETRIA MANUFACTURING FRANCE S.A.において新造機の消費地生産を開始する。地域内で「回収→資源・部品活用→生産→利用→再回収」の循環を構築することで、輸送に伴う環境負荷を低減するとともに、供給網の分断や物流網の混乱などのリスクにも柔軟に対応しやすくなる。

■今後の展開
 リコーは、顧客を含めた循環の仕組みづくりを推進する。エトリアは、循環を前提とした製品設計・開発と、消費地に近接した循環生産基盤の構築を進める。
 両社は、日本・欧州を起点に「Circular New」の適用領域を拡大するとともに、将来的には他のブランドオーナーやOEMパートナーとの連携も視野に入れ、資源循環を事業成長につなげるモノづくりの新たなスタンダードとして確立することを目指す。