キヤノン オフィス向け複合機の保守サービス業務向け AI活用の「スマートサポートチャット」提供開始

キヤノン 2026年2月6日発表


 キヤノンは、生成AIを活用した、オフィス向け複合機の保守・サポート業務支援システムとして、「スマートサポートチャット」を開発した。欧州・アジア・オセアニアの一部地域で提供を開始しており、米国・日本では 2026年中の提供を予定している。

 このたび提供を開始した「スマートサポートチャット」は、保守・サポート担当のPCやスマホに、ユーザーからの問い合わせ内容を入力すると、サービスマニュアルや現場対応のノウハウ、複合機の稼働状況などをシステムが統合的に分析し、トラブルの原因や適した処置方法を提示する業務支援システムである。ユーザーから問い合わせを受けるコールセンターの担当者や、その後要請を受けて現場に出動するサービスエンジニアが本システムを活用することによって迅速な対処が可能になり、複合機のさらなるダウンタイム短縮に貢献する。

■自社のノウハウを結集した実践的なデータベースと検索ロジックに基づく高精度な回答生成
 紙詰まりや印刷画像の不良など、必要な専門知識の異なるさまざまな事象に対して、高精度な回答を生成する独自のAIエージェントを開発し、本システムに搭載している。
 AIエージェントは、生成AI技術を活用することにより、「画像がおかしい」など、ユーザーの話した言葉を専門用語に変換することなく入力するだけで、問い合わせ内容の意味を理解する。そして、回答を生成する際には、キヤノンがこれまで蓄積してきた約12万件以上のサービスマニュアルや事例集に加え、実際の対応履歴などを統合した膨大なデータベースから、情報を検索する。複合機に精通した社内の開発チームがこれらのデータを分析し、適切な処置方法へ導くロジックを組み込んでいるため、トラブルと直接関連のないように見える情報でも、関連する専門用語と紐づけてデータベースから引き出す。これにより、適した対処方法を判断し、提示することができる。
 本システムは、複合機などプリンターの稼働情報を収集し、その情報を元に保守・サポート業務を効率化する各種サービスを提供するキヤノンのサービス基盤DSF(Data-driven Service Foundation)上に構築されている。

■サービスエンジニアの出動回数削減に寄与するリモート連携機能
 本システムから、稼働中の複合機の操作画面にリモートアクセスして操作することや、部品・消耗品の状態などの情報をリアルタイムで確認することも可能である。本システムやこれらの連携機能により、複合機が実際に使用されている現場へのサービスエンジニアの出動回数を年間約5%削減することが見込まれる。さらに2028年には、複合機本体のさらなる品質向上に加えて本システムに活用するデータの拡充により、約20%まで削減することを目指す。