東芝テック/ジャイナミクスとマッキンゼー、NVIDIA GPUを用いた小売データのリアルタイム分析で業界を変革

東芝テック 2025年12月17日発表


 東芝テックは、ジャイナミクスを通じてマッキンゼー(AI部門QuantumBlack)とNVIDIA GPUを用いた小売業界におけるリアルタイム意思決定を可能にする新たな分析基盤を構築した。POSシステムから得られる膨大な取引データをGPUで処理することで、従来のCPUベースの分析を超えるスピードと精度を実現し、小売業者の販促・利益最適化を革新する。

 東芝テックは、長年にわたりPOSシステムを通じて世界中の商取引データを取扱ってきたが、従来の分析はCPUベースであり、リアルタイム性に課題があった。2024年、同社はジャイナミクスを通じて、GPUアクセラレータによる小売分析の新たな可能性を開拓した。
 本取り組みでは、NVIDIAのMerlinフレームワークを活用し、NVTabularによる特徴量エンジニアリングとTransformers4Recによるレコメンドモデルを統合。これにより、数百万件の取引データを数分で処理し、顧客の購買行動を高精度で予測することが可能となった。
 特に、GPU対応のトランスフォーマーモデルは、カタログのカバー率を約8%からほぼ100%に拡大し、パーソナライゼーションスコアを7倍向上。推論速度も10万顧客あたり数時間から1分未満に短縮された。
 さらに、NVTabularとRAPIDS cuDF、Daskの統合により、従来のデータサイエンスワークフローを維持しつつ、処理速度を指数的に向上。商品IDや店舗コードなどのカテゴリ特徴量のタグ付けも自動化され、モデル学習の効率が飛躍的に向上した。