コニカミノルタ マイクロジェット社製ペロブスカイト層塗布用IJ装置にコニカミノルタIJヘッドが搭載
コニカミノルタ 2025年10月27日発表
コニカミノルタが9月4日に発売した産業用インクジェットヘッド「KM1024iSHE-HM-LV」が、株式会社マイクロジェットが開発・販売するペロブスカイト層塗布用インクジェット装置「PerovsPrinter(ペロブスプリンター)」に搭載された。
ペロブスカイト太陽電池は発電層であるペロブスカイト層をはじめとする複数の層が積み重なって構成されている。ペロブスカイト層やこの層を挟む上下の層の形成において、基材に対して非接触で材料を塗布できることから、表面にうねりや湾曲がある基材への塗布に適した製造手法の一つとしてインクジェット方式が注目されており、研究が進んでいる。インクジェット方式は材料の使用効率が高く、環境負荷が少ないなどの特長があり、印刷分野に限らず工業分野でも応用されている。このインクジェット工業応用分野に対し、装置販売や受託実験などを通して数多くの大学や企業の研究開発を支援しているマイクロジェット社がペロブスカイト層の塗布用に開発したのが「PerovsPrinter」である。
ペロブスカイト層の原料に含まれる有機溶剤はインクジェットヘッド部材にダメージを与えやすいことに加え、粘度が低いため長期的な安定吐出に課題があった。「PerovsPrinter」に搭載された「KM1024iSHE-HM-LV」は、高精細・高速印刷に適した産業用インクジェットヘッド「KM1024iシリーズ」の新製品である。一般的なヘッドと比較して有機溶剤など薬品への耐久性に優れていることからペロブスカイトの塗布に適しており、ペロブスカイト層の安定形成に寄与する。また、小液滴で安定した吐出性能を実現し、精密な塗布が可能である。マイクロジェット社が培ってきたインクジェットの工業分野への応用における知見と、コニカミノルタの付加価値の高いインクジェットヘッドを組み合わせることで、ペロブスカイト太陽電池普及に向けた研究などの領域で貢献していく。

