インボイス制度 適格請求書で不備が多かった項目トップ5をSansanが発表

Sansan 2023年11月21日発表


 Sansanは、10月より開始したインボイス制度の実態を把握するため、特許出願中であるBill Oneの適格請求書判定機能を活用し、適格請求書の要件を満たせずに「要確認」と判定された項目のトップ5を発表した。「要確認」と判定された請求書は、適格請求書判定の対象となった請求書のうち約2割(19.9%)で、5件に1件の請求書で不備があった。
 不備が多かった項目の上位3位は消費税率・税額の記載に関する項目で、第4位は消費税額の計算、第5位は取引年月日の記載に関する内容であった。

■適格請求書で記載ミスが多かった項目
 Bill Oneの適格請求書判定機能で、要件を満たせず「要確認」と判定された項目のうち、多かった項目5つとそれぞれの不備発生率は以下である。
 第1位は適用税率の記載がない(38.9%)、第2位は税率ごとに区分した消費税額の記載がない(21.5%)、第3位は税率ごとに区分して合計した対価の額の記載がない(11.3%)、第4位は消費税額の計算に誤りがある(9.6%)、第5位は取引年月日の記載がない(6.3%)という結果であった。

Sansanが発表 適格請求書で記載ミスが多かった5項目

 上位3項目は、消費税額や税率の記載に関する項目だった。Sansanが先日行った調査では、経理担当者からは「登録番号の記載があっても税率の記載漏れがあり、取引先に修正を依頼するのに手間がかかった(コールセンター業)」、「税率は10%と明記されているが、税率ごとの消費税額が表記されていない(小売業)」といったコメントがあった。確認時には、消費税額・税率が正確に記載されているかどうか十分な注意が必要である。

 第4位は、消費税の計算誤りだった。「消費税を計算しないといけないのが面倒(IT・情報通信業)」という回答があった。消費税額等の端数処理は、税率ごとに区分した消費税額等に1円未満の端数が生じる場合に、適格請求書単位で税率ごとに一回の端数処理が必要である。システムを使用しない場合、手作業で確認するのに手間がかかる項目となる。

 第5位は、取引年月日の記載に関する内容で、調査では「取引年月日がないものが多くて困った(小売業)」といったコメントがあった。取引年月日の場合、請求書を発行する企業によって和暦表示や⻄暦表示など記載が異なることから、記載があっても慎重な確認が必要となる。