コニカミノルタジャパンの空間デザイン事業に関する取組み

 コニカミノルタジャパンは9月21日、空間デザイン事業に関する取組みについてメディア説明会を催し、執行役員マーケティングサービス事業部長の栗山秀樹氏と、マーケティングサービス事業部空間デザイン統括部長の宮本晃氏が説明した。

【概要】
「マーケティングサービス事業の概要について」

登壇者:執行役員 マーケティングサービス事業部長 栗山 秀樹

KMJ 栗山執行役員
栗山 執行役員

 コニカミノルタジャパンでは、「いつでも、どこでも、だれでも働ける環境づくり」の実現に向け、保管文書ゼロ化、ハイブリットワークなど様々な取り組みを継続して実践してきた。マーケティングサービス事業においては、自社での取り組みにより蓄積したノウハウを中心に、「デジタルマーケティング」、「空間デザイン・設計施工」、「プロモーション・販促」の事業からリアル・デジタルを融合したマーケティング活動の支援、ニューノーマル時代に求められる働き方を実現する支援を提供している。働き方が多様化する中で、オフィスに求められる価値も変化し、オフィスを投資と捉え、経営課題解決の解決策と捉える経営者が増加。従業員も、オフィス環境は仕事の成果や仕事に対するモチベーション向上に影響を与えると認識するようになった。

「空間デザイン事業の取り組みと実績」

登壇者:マーケティングサービス事業部 空間デザイン統括部長 宮本 晃

KMJ 宮本統括部長
宮本 統括部長

空間デザイン事業の紹介
 現在の日本の労働環境は、労働生産人口の減少や労働生産性の低下への対策、災害・情勢変化への備えとしてのBCP対策など企業の持続的成長には働き方と働く場の改革が求められている。コニカミノルタジャパンでは働き方改革のコンセプト「いいじかん設計」の考えに基づき、これらの課題をオフィス空間づくり、テレワーク環境の構築、業務生産性の実現の3つの観点からトータルで顧客をサポートし、「いつでも、どこでも、誰とでも働ける環境づくり」を目指している。

コニカミノルタジャパンの働き方改革自社実践の場「つなぐオフィス」について
 コニカミノルタジャパンでは2013年より働き方改革プロジェクトを発足し、2017年にはテレワークの全社運用を開始するなど、社会に先駆けて働き方改革を実践してきた。コロナ禍においてもスムーズに働き方を移行したが、改めてオフィスで働く意味や価値を見つめなおし、「目的に合わせて出社とテレワークを柔軟に使いこなすハイブリッドな働き方こそ、これからの時代に求められる働き方だと考え、「つなぐオフィス」へとリニューアルを実施した。
 つなぐオフィスは創造性、業務効率、エンゲージメントの3つの価値を高めるオフィスとして設計している。

つなぐオフィスでの働き方改革自社実践で見えた働き方の現在地とこれからの働き方
 作業に集中したいときに利用するHigh Focusエリアでは形状や環境の異なる5種類の座席を設け、各席の環境が集中力や作業効率にどのような影響があるかを検証した。集中力を向上させるためには周囲の情報を遮断できることや話しかけられない環境が求められることがわかっている(投影スライド22-図1)。また、周囲との相対的な位置や業務に適した業務スペースが確保されることも重要で(投影スライド22-図2)、3方向を壁で囲まれた座席は特に人気だ。集中力を高めるには暖色の照明が効果的だと一般的に言われているが、当社の検証においても同様の結果となり、77%の社員が暖色の照明のほうが集中力を高められると回答している。

KMJ 投影スライド22
投影スライド22

 創造性を高める場として用意されたHigh Creativityエリアは、人によりアイデアを生み出しやすい環境は異なると想定し、一人で業務ができる座席や、周囲の人と会話ができる座席、身体を動かせる場所や色とりどりの植栽など様々な座席や仕掛けを用意した。結果として、創造力の高め方は一人で考えを巡らせる方法と、複数人でアイデアを出し合う方法の2種類あることがわかり、創造力を高めるためには様々な環境や刺激を与える仕組みが必要だということが証明された。

 メールや電話、Web会議やチャット等、テレワーク中でも様々なツールを活用しコミュニケーションを取ることは可能だが、コミュニケーションや会話を求めてオフィス出社する場面もあり、特に20代においては62%の社員がこれらの目的で出社した経験があることがわかっている。その理由は、オフィスでのコミュニケーションにより関係性強化や作業効率の向上を実現したいからだ。会議・打合せは、話しやすい、熱量や感情が伝わりやすいなどの理由からオフィスで実施するメリットがあると考えられている。さらに設備環境が充実していること、気持ちの切り替えができるなど、多様な働き方をする中で「働く」ことの効果を最大化させるためにオフィスが必要とされていることが、社員の意見から見えてきた (投影スライド27-図8、9)。実際にコニカミノルタジャパン社員の76%はテレワークとオフィスワークの両方を業務目的に応じて柔軟に使いわけるハイブリッドワークを実施しており、メリットとして業務効率を向上させるほか、プライベート時間の確保などを挙げている。ハイブリッドワークはエンゲージメント向上にも寄与していると考えられる。

 KMJ 投影スライド27
投影スライド27

 働く価値を高める効果があるつなぐオフィスは、これからの時代にふさわしいオフィス・働き方を模索する顧客からも注目されている。オフィス見学ツアーで働き方や働く環境を目の当たりにすることで働き方の改善に前向きに取り組む傾向が出ている。

〇事例1
株式会社クボタ -ABWを導入したオフィスにグループ会社を集約し、シナジーを最大化-
 グループ会社18社の集約により従業員数が1.4倍に増加するところ、スペースを有効活用できるオフィスにしたいという課題に対し、コニカミノルタジャパンがペーパーレス・ストックレス化の取り組みを支援。結果、スカイツリー6本分の高さもの文書量を削減し、スペースの有効活用を実現。さらには、在宅勤務制度導入後の働き方に合ったオフィスとしてABWオフィスにリニューアルした。
 関係各所と密に調整を行い、適切にプロジェクトを推進したコニカミノルタジャパンのプロジェクトマネジメント力と、要望や思いを汲み取り、デザインなどに的確に落とし込む高度な提案力が評価され、現在も定期的に当社と意見を交換しながら、働く人すべてが満足できるオフィスづくりを推進している。

〇事例2
某化学メーカー -リニューアルをきっかけにコミュニケーションが活性化される空間へ-
 リニューアルをきっかけに社員が働きやすいオフィスにしたいという課題に対し、コニカミノルタジャパンがコンセプトの策定含め、オフィス環境構築を支援。結果、「コミュニケーション」と「リフレッシュ」に軸を置いたオフィス環境を実現。コンセプトやデザイン検討にあたり、コニカミノルタジャパンのオフィスの見学、ワークショップやアンケートを通して要望をロジカルに分析する「Programming Design Task Flow(プログラミングデザインタスクフロー)」のサービスを活用。社員のアイデアを反映した多様な働き方ができるデザインに高い評価を得ている。