シャープ 佐川急便と「顔認証勤怠システム」を共同開発 物流センターの約2万人対象に運用開始

利用シーン(東京都江東区の次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」)

 SGシステム、シャープマーケティングジャパンおよびデータスコープは、SGフィルダーの協力のもと「顔認証勤怠システム」を共同で開発したと、8月23日に発表した。佐川急便などの物流センター214カ所に導入し、8月上旬に本稼働を開始した。
 「顔認証勤怠システム」は、顔認証検温システムと勤怠管理システムを融合したソリューションである。企業が利用中の勤怠基幹システムとの連携を実現し、勤怠および検温データ管理業務の効率化に貢献する。
 本システムは、高速かつ高精度な顔認証と検温機能を搭載。最大5万人分の登録データからすばやく個人を特定し、検温データとともにプライベートクラウド上の勤怠基幹システムに記録できるうえ、複数拠点の情報を一元管理することも可能である。
 また、新開発の顔認証エンジンにより、顔のよく似た双子を高い精度で識別できるほか、同一人物の二重登録を抑制する「なりすまし防止」機能も搭載している。さらにディスプレイ横に「出勤」「退勤」など、5つの専用ボタンを装備しており、利用者は直感的な操作で簡単に打刻することが可能である。

 SGフィルダーは、佐川急便を中核とするSGホールディングスグループの一員で、物流や製造分野を中心に各種人材サービスを展開している。本システムは、SGホールディングスグループのIT統括会社であるSGシステムが、SGフィルダーにおけるスタッフの勤怠管理状況や課題を綿密に調査、ヒアリングし、シャープマーケティングジャパンおよびデータスコープと連携して共同開発した。このほど、SGフィルダーが庫内運営を請負う佐川急便などの物流センター214カ所に、計310台の顔認証端末を設置。計約2万人のスタッフを対象に、8月上旬に本稼働を開始した。

 これまでSGフィルダーでは、静脈認証方式による勤怠打刻を実施しており、新規スタッフ入職時に行う生体登録にかかる手間や出退勤のラッシュ時の混雑が課題となっていた。本システム導入後は、1人あたりの生体情報登録にかかる時間を約1/10、打刻にかかる時間を約1/2に短縮。さらに、これまで紙で管理していた検温データも顔認証勤怠システム上で確認できるようになり、事業場における勤怠管理業務の大幅な効率化に貢献している。