リコーインダストリアルソリューションズ 作業検査カメラを発売 高精細画像で判定精度が向上

リコーインダストリアルソリューションズ 2023年6月19日発表


リコーインダストリアルソリューションズ RICOH SC-20
RICOH SC-20

 リコーインダストリアルソリューションズは、画像認識技術を活用し、手作業工程が適正に行われているかリアルタイムでチェックできる作業検査カメラ「RICOH SC-20」を7月3日に発売する。

 「RICOH SC-20」は、「RICOH SC-10A」の後継機に位置付けられる。PC不要で簡単に使える操作性は前身機そのままに、センサー画素数を約100万画素から約800万画素へ増やし、高解像化による判定精度の向上を実現したほか、カメラ単体での作業ログデータの閲覧によるトレーサビリティの確保、バーコード・OCR読み取りなどの有償のオプション機能も追加した。また、カメラのレンズを交換式にすることで焦点距離の選択肢が増え、これまで対応できなかったワークサイズ(対象物の大きさ)にも対応でき、活用の幅が広がる。
 従来は難しかった小さな部品の取り付け状況や取り付け方向のチェック、質感マッチング判定による不織布やスポンジなどの有り無し検査が可能である。例えば、自動車部品、電気・電子機器、精密機器などのセル生産方式における手作業での組み立て工程など、目視検査では限界があった箇所のチェックも可能になり、作業品質の向上が期待できる。手作業工程における欠品や組立ミスによる不良の低減、手作業工程後の目視検査工程の廃止も可能になる。

【「RICOH SC-20」の主な特徴】
(1)作業中も作業後も、約800万画素の高解像度で画像検査
 ・作業指示書をカメラに取り込み、作業指示書を表示しながら手順通りの作業が行われたかリアルタイムでチェック。誤った手順では次の作業指示を表示しないため、確実な作業が可能である。
 ・作業結果を画像で一括検査でき、チェックポイントは従来機の最大9か所から20か所へ大幅に向上。形状、色、質感のマッチング判定を行える。
 ・約800万画素のCMOSカラーセンサー(1/1.8インチ)を搭載。従来機より大幅に画質が改善し、判定精度が向上。小さな部品やより微細な作業の判定も可能である。
 ・5種類の交換可能なCマウントレンズにより、多様な撮影距離とワークサイズで運用可能。これまで対応できなかった様々な作業現場でも活用できる。
(2)PC不要で簡単設置・簡単設定 本体そのものの拡張性・操作性を向上
 ・PC不要でモニターとキーボード、マウスと「RICOH SC-20」をつなげるだけで使用できるため、設置が容易である。
 ・作業検査に必要なソフトウェアを本体に内蔵。ソフトウェアはシンプル設計で画像検査に関する特別なノウハウが無くても簡単に作業検査の設定ができる。
 ・外部機器との連携を可能にする無線LAN、USB、Bluetooth、外部I/O端子にも対応。外部I/O端子は従来機より受信送信ともに通信本数を増設。より多様な外部機器連携が可能になった。
 ・システム設定、作業指示書と正しい作業のマスター画像を含む作業フローデータをシステム単体でエクスポート/インポートが行える。デバイスをネットワークにつなげることで、SDカード不要で複数台の同一設定が簡単に可能である。
 ・有償でカメラ本体へバーコードなどの1DコードやQRコードなどの2Dコードの読み取りや文字情報のOCR読み取りのオプション機能も追加可能になった。今後はより多くのオプション機能のラインアップを順次提供することで、高い拡張性を実現する。
(3)トレーサビリティを確保するログ保管機能
 ・すべての検査結果画像を、作業者IDや作業にかかった時間などの作業ログとともに保管できるので、トレーサビリティが確保できる。
 ・作業ログは専用のログビューアーでカメラ本体から閲覧可能。作業アイテムごとの詳細な作業結果も確認できる。また作業ログの分析により作業工程の改善に役立てることも可能である。さらにCSVで書き出すことも可能なので、ネットワーク上のNASなどに検査結果画像や作業ログを保存することも可能である。