ブラザー工業 アフリカ農村部でIJ事業展開 Dots社と資本業務提携

ブラザー工業とDots for社 アフリカ・ベナンに設置された村の印刷サービス
アフリカ・ベナンに設置された村の印刷サービス

 ブラザー工業は、アフリカを中心とした地方農村部でビジネスを展開する日本発スタートアップの(株)Dots for(東京都千代田区、大場博哉社長)と、資本業務提携契約を締結した。この提携により、ブラザーのプリンター・複合機の開発を通して蓄積したノウハウと、Dots for社の現地ネットワークを融合した取り組みをさらに進め、アフリカでの事業拡大の足掛かりにする。

 ブラザーはこれまで、アフリカを中長期的に重要な市場と位置付けており、2024年にDots for社と協働して、同社が展開する村のデジタルプラットホーム「d.CONNECT」でブラザー製インクジェット複合機を活用た印刷・コピーサービス事業のテストマーケティングを開始した。
 デジタル化の波から取り残されたアフリカの地方農村では、村内に印刷・コピーを行う場所がなく、数十キロ離れた近隣の街まで1日かけて移動して、印刷やコピーを行うこともある。ブラザー工業は今回の提携により、農村住民がスマートフォンを使って利用できる印刷・コピーサービスを「村の印刷サービス」と称し、Dots for社のデジタルプラットホームを通じて地方農村部で展開することで、住民の生活の質向上に貢献できると見込んでいる。
 また、8月20日から横浜で開催される「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」の併催展「Japan Fair」に、Dots for社と共同でブース出展する予定。

桑原 副社長

 ブラザー工業の桑原悟代表取締役副社長は「アフリカは、潜在市場として巨大でありながらも、ビジネス参入するには難しい地域であり、インフラの制約がある地方農村部でのビジネスはさらに難しいと考えていました。しかし、この度の資本業務提携による本取り組みは、今後のアフリカ農村部のデジタル化を加速させられるだけでなく、ブラザーにとってもアフリカにおける新しいビジネスを開拓できる機会になると手ごたえを感じています」と語っている。