リコー 2023年度 大山社長から新入社員に向けた言葉

リコー 2023年4月3日発表


リコー 大山晃 代表取締役 社長執行役員
大山晃 代表取締役 社長執行役員
入社式で新入社員一人ひとりと言葉を交わす
大山社長(左)と山下会長

2023年度 新入社員の皆さんへ
株式会社リコー 代表取締役 社長執行役員 大山 晃

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
 新型コロナウィルスの猛威により、世の中は大きく変容しました。皆さんも卒業、入社と人生の節目を迎えたこの一年、多くの場面で変わりゆく環境に対応されてきたことと思います。そんな中、私自身は、今日こうして皆さんをお迎えできた事が素直に嬉しく思います。

 今日は、皆さんが仲間入りした記念に、リコーが創業以来大切にしている二つのことをお話ししたいと思います。世の中が、どのように移り変わっても、不確実な時代にあっても、変わらず大切にしていることが二つあります。

 まず1つ目は、リコーグループの創業の精神である「三愛精神」の実践です。

 三愛精神は、「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という、創業者 市村清が発信した言葉です。私は入社以来、多くの経験をしてきましたが、悩む時にはいつもここを原点にして参りました。
 「人を愛す」というのはまさしく社員を大切にする経営であったり、お客様を大切にする事業運営です。私は三愛精神の言葉の中で、「人」が最初に出てくることが気に入っており、リコーの社風をよく表していると思います。
 そして、「国を愛す」。創業者は、戦後の日本の復興のために事業を始めたと聞いています。これを今の時代で解釈するならば、『地球を愛する』ということなのだと思います。この地球を次の世代、そしてその次の世代へとつないでいく為に、今 何をしなければならないかを考え実行に移していくことが私たちの使命であると考えています。企業の存在意義も地球あってこそのものです。
 最後に来るのが、「勤めを愛す」です。はたらくことを愛するというのは、とても意味深く、私たちの事業に示唆を与えてくれています。仕事は、自ら熱意と責任感を持って主体的に取り組めないと愛せません。私たち自身もそれができる会社にしたいと思いますし、お客様もそうあってほしいと私は考えています。

 もう一つ、変わらずに大切にしていることは、お客様の“はたらく”に寄り添い続けてきたということです。

 リコーは、1977年、世の中に初めてオフィスオートメーションという言葉を提唱しました。「OA機器」の“OA”という言葉は今では一般的に使われていますが、実は40年以上前にリコーが生み出した言葉なのです。このオフィスオートメーションを提唱したときの趣意書には、こう書かれています。「機械が出来ることは機械に任せて、人はより創造的な仕事をするべきである」。それ以来、半世紀近くにわたり、オフィスの効率化や生産性向上のお手伝いをしてきました。
 リコーは、2036年に創立100周年を迎えます。101歳を迎えるときに、どんな会社になっていたいか、世の中から何を期待される存在になっていたいか、ここ数年考え続けてきました。そして、そのたどり着いた先が、「”はたらく”に歓びを」提供するお手伝いができる会社にしたい、ということです。
 これから先の未来を想像してみると、ネットワーク、AIやIoTデバイスの進化により、人がやっていた仕事の相当部分を機械がやってくれる世の中が訪れると考えています。そのとき、一気に「仕事の価値は業務の効率化から、人にしかできない創造力の発揮へ」と移っていくと考えました。創造的な仕事をすることで、人は仕事が楽しくなったり、働くことに歓びを感じたりするようになる。そのような変化において、リコーは常にお客様の“はたらく”に寄り添い続け、はたらくことで歓びや幸せを感じることに役に立つ会社でありたいと考えました。

 ここに私たちリコーの存在意義、パーパスがあるのです。

 まずは社員の皆さんが「“はたらく”に歓びを」感じられることが重要です。なぜなら皆さんのモチベーションが会社の宝であり原動力だからです。当事者意識を持って主体的に仕事に取り組む社員が働きやすい会社を作る、そんな環境作りが、社長である私の使命です。

 今日から、皆さんは仲間です。ぜひ力を合わせて、新しいリコーを創り上げていきましょう。
 これからどうぞ宜しくお願い致します。