コニカミノルタ MJマテリアルと再生プラスチック材料でパートナーシップ構築 2026年度に事業化へ

コニカミノルタ 2025年10月8日発表


 コニカミノルタは、MJ MATERIAL TECHNOLOGY SDN BHD(所在地=マレーシア ペナン州、以下 MJマテリアル)と、供給安定性と品質安定性に優れた再生プラスチック材料である「インテリジェント再生材」に関するパートナーシップを構築したと、10月8日に発表した。

 このたびのパートナーシップのもと、MJマテリアルは2026年春に新設するマレーシア・クアラルンプール生産拠点の生産ラインにコニカミノルタの自社の知見を蓄積した技術と設備を導入する。MJマテリアルは、インテリジェント再生材を製造し、コニカミノルタと共に電子機器・家電用途としてアジア向けに顧客である最終製品メーカーに販売する。コニカミノルタは技術供与に対する対価をMJマテリアルが顧客から得た販売収益に応じて受領する。両社で2026年度の事業化を目指し市場での検証を進めている。

■インテリジェント再生材について
 インテリジェント再生材は、両社の最新技術・ノウハウを組み合わせて、供給安定性と品質安定性を高めた再生プラスチック材料である。家電由来の廃プラスチックを活用することにより、原料のコストを抑えることで低コスト化も見込める。このような特長により、安定した材料特性が求められる電子機器、家電、自動車などの樹脂材料としての提供を計画している。インテリジェント再生材の展開により、両社の事業成長と持続可能性が高い社会の実現に貢献する。

■パートナーシップ構築の背景
 コニカミノルタは、今年度を「成長基盤の確立」の年と位置付け、中長期の重点開発テーマである成長の芽を中心とした技術開発および事業展開を進めている。
 成長の芽のひとつである再生プラスチック材料製造は、コニカミノルタがこれまで培ってきた材料技術をもとに、2011年度から自社複合機への活用を始めており、2024年度には社外製品に向けて提供を開始した。
 このほど、コニカミノルタが独自に開発したセンシング・AI技術とMJマテリアルの回収から生産まで一気通貫したプロセスの組み合わせにより、市場のニーズに応えるインテリジェント再生材の事業展開を目指し、MJマテリアルとのパートナーシップを構築した。

【インテリジェント再生材の特長】
●材料選別とセンシング・AI技術による供給安定性
 一定の品質を担保する再生プラスチック材料を製造するためには、純度が高く劣化が少ない高品位の廃プラスチック原料を仕入れる必要があるため、供給量が限定されるという課題がある。そこで、MJマテリアルのクアラルンプールの新しい生産拠点には、今まで培ってきた選別ノウハウを活用した選別ラインを設置しており、後続の工程に使用できる原料を効率的に選定することができる。
 さらに、コニカミノルタが独自に開発したセンシング・AI技術の活用により、AIが設定した条件で廃プラスチック材料を含む原材料を混錬し、バージン材相当の物性・機能を得ることが可能となった。これにより、幅広い廃プラスチック原料から再生プラスチック材料を製造でき、安価で供給安定性を担保できる再生プラスチック材料を提供できることが期待できる。
●顧客ごとに最適化したモデルにより成形の品質安定性を向上
 再生プラスチック材料はバージン材よりも性能のバラつきがあることから、部品を製造する際に不良品が発生しやすい課題がある。さらに顧客・部品ごとに求められる仕様が異なり、それぞれ技術者の経験で成形条件を試行錯誤しながら検証を行うため、成形による量産化には多くの工数を要する。
 そこでコニカミノルタが独自に開発したAI最適化モデルを活用し、部品ごとに最適化した成形条件を提案することで、成形難易度が高い部品でも顧客が求める品質を安定して量産することが可能となる。