エプソン 2050年カーボンマイナス実現に向けてSBTiのNet-Zero目標認定取得
セイコーエプソン 2025年6月24日発表
セイコーエプソン(以下 エプソン)は、SBTiのネットゼロ基準に基づくNet-Zero目標およびその過程となる短期・長期目標が、環境に関わる国際的な共同団体であるScience Based Targets initiative(SBTi)から承認されたと発表した。
エプソンの脱炭素化に向けた中長期的な温室効果ガス(GHG)排出削減目標が、パリ協定における「1.5°C目標」の達成に貢献する、科学的な根拠に基づいた目標であることが裏付けられた。
エプソンは、気候変動・地球温暖化を社会が直面する深刻な課題の1つと捉えている。その解決に向け、2050年をゴールとした「環境ビジョン2050」の下、同社の技術の源泉である「省・小・精の技術」を基盤に、商品の環境性能向上や事業活動などバリューチェーンを通じた環境負荷低減に積極的に取り組んでいる。2018年に初回承認された目標をその後1.5°Cに引き上げ、2025年度の目標達成に向け活動を展開してきたが、グローバルでの再エネ100%化を実現し、目標を前倒しで達成したこともあり、次期中長期目標の見直しが求められていた。また、GHG排出量の絶対的な削減(総量削減)が社会的に求められる背景を受け、同社の環境ビジョンで既に掲げていた総量削減目標との整合性を高めるため、以下の短期・長期目標をSBTiに申請し、審査を経てこのたび承認された。
《承認された目標》 いずれも基準年は2017年度
●短期目標
2030年にScope1+2+3を総量で55%削減
2030年にScope1+2を総量で90%削減
●長期目標
2050年にScope1+2+3を総量で90%削減
2050年にNet-Zero達成
2050年のNet-Zero目標は、SBTiのNet-Zero基準に基づき、基準年からのスコープ1,2,3すべてのGHG排出量を直接的に削減することを優先し、削減が困難な残余排出量を吸収・除去するなどの中和策を講じることで達成を図るものである。
エプソンのGHG排出量の9割以上を占めるバリューチェーンにおけるGHG排出量の削減には、サプライヤーとの連携が欠かせない。部材調達(スコープ3のカテゴリー1)における環境負荷低減に向け、サプライヤーエンゲージメント活動として「エプソングリーンサプライチェーン」を開始しており、GHG排出量の精度向上に向けて可視化ソリューションの導入を通じた一次データの把握に取り組む。また、主要サプライヤーと再生可能エネルギーの調達を共同で推進する構想にも着手している。
また、エプソンは、環境技術開発のテーマとしてCO2吸収技術の開発も推進しており、SBTの達成に加え、自社の追加目標として掲げるカーボンマイナスの実現に向けて、社会の脱炭素化に貢献していく。