富士フイルム 同社初の軟包装印刷向け水性IJデジタルプレスを発売 多品種・小ロット印刷に対応
富士フイルム 2024年3月25日発表
富士フイルムは、インクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズの新ラインアップとして、軟包装印刷市場を対象とした水性インクジェットプレス「Jet Press FP790」を、3月25日に発売した。「Jet Press FP790」は、食品や日用品などの軟包装の多品種・小ロット印刷に対応し、高い生産性を実現する。同社が軟包装印刷を可能とする水性インクジェットプレスを市場投入するのは、今回が初となる。
食品や日用品などの軟包装印刷市場では、絵柄ごとに版を作成する、フレキソ印刷やグラビア印刷などの同じ絵柄の大量印刷に向いたアナログ印刷が一般的である。一方、インクジェットをはじめとするデジタル印刷は、版の作成が不要で、絵柄データを印刷機に直接送って印刷できることから、多品種・小ロットでの絵柄印刷を可能とし、顧客からのニーズに柔軟に対応できる。
同社は、商業印刷市場で培ったインクジェットの知見や機器の販売ノウハウなどを活かし、今回新たに軟包装印刷向けに「Jet Press FP790」を市場導入した。
「Jet Press FP790」は、軟包装の多品種・小ロット印刷に対応した水性インクジェットプレスで、最大790mm幅のフィルム基材に対して毎分50mでの高速印刷を可能とし、高い生産性を発揮する。
また、CMYK各色のプリントヘッドに加え、2組の白色プリントヘッドを搭載した。これにより、パッケージの見た目を大きく左右する、カラー印刷の下地色となる白色の濃度を向上させ、カラーインクの発色性を高めることが可能。色鮮やかな印刷を実現する。さらに、印刷前の基材に処理液を塗布する機構を搭載し、撥水性のあるフィルム基材に対しても高いインク密着性を付与する。この他、1200dpi×1200dpiのプリントヘッドにより、高解像度での印刷が可能である。
なお、本製品は、5月28日から6月7日にドイツ・デュッセルドルフで開催される国際印刷・メディア産業展「drupa 2024」の富士フイルムブースにて出展予定である。