E Inkとシャープが電子ペーパー技術を応用した電子ポスター分野で協業

E Ink Holdings Inc./シャープ 2023年3月29日発表


E Inkとシャープ協業
42型モノクロ電子ペーパーディスプレイ
「ePoster」(2台設置時のイメージ)

 電子ペーパー分野のパイオニアであり世界最大手のE Ink Holdings Inc.(台湾、以下 E Ink)と、デジタルサイネージ分野のリーディングカンパニーであるシャープは、E Inkの電子ペーパー技術を応用し、デジタルサイネージ市場における電子ポスター分野で協業すると、3月29日に発表した。

 デジタルサイネージは、豊富な情報をタイムリーかつ表現力豊かに発信できることから、広告用途はもとより、公共空間やさまざまな施設におけるコミュニケーションツールとして普及が進んでいる。一方、電源のない場所や、強度や耐荷重の問題からデジタルサイネージの設置が困難な場所があり、紙のポスターもいまだ多くのシーンで活用されている。

 E Inkは、視認性や携帯性など、紙の特長を電子ディスプレイ上で実現し、表示の保持に電力を必要としない独自の電子ペーパー技術により、これまで電子書籍リーダーや電子ノート、店舗用の棚札など、さまざまな市場において革命を起こしてきた。シャープは、2005年にデジタルサイネージ事業へ参入して以来、「街を変える・オフィスを変える」をテーマに、電子ディスプレイの開発のみならず、設置場所に応じた企画・プロデュース、コンサルティング、システム構築から設置、保守メンテナンスまでをワンストップで担い、市場をリードしてきた。

 両社は、互いの強みを融合することで、カーボンニュートラルに貢献する電子ポスターの普及促進に取り組むことを目的に、約3年前より協議を開始。国内外の展示会にプロトタイプを出展するなど、マーケティング活動も実施し、市場性・将来性を確認してきた。今般、協業の第一段として、42型モノクロ電子ペーパーディスプレイ「ePoster(イーポスター)」を、4月上旬にシャープより日本市場で発売する。表示保持時の“消費電力0W”を実現したうえ、外光の反射を利用して表示するので明るい環境下でも高い視認性を確保。薄型軽量も実現している。シャープが長年培ってきたデジタルサイネージの設置・運用に関わるノウハウや、日本全国にまたがるサービス網を活用し、紙のポスターに替わる電子ポスターとしての提案や、これまでデジタルサイネージの設置が困難だった場所への提案を、積極的に推進していく。

 両社は今後、電子ポスターの大型化やカラー化などの表現力の進化に取り組むとともに、海外展開も視野にさらに連携を強化し、カーボンニュートラル時代における新たな情報発信ツールとしての電子ポスター市場の発展に取り組んでいく。