リコー 東京都でのペロブスカイト太陽電池の実装検証を開始

リコー 2024年3月15日発表


 リコー、リコージャパンは、東京都ならびに、東京都住宅供給公社(JKK東京)とともに、東京都庁およびサービス付き高齢者向け住宅「コーシャハイム向原」において、ペロブスカイト太陽電池の実装検証を開始する。検証期間は、2025年4月までの約1年間を予定している。

リコー 東京都でのペロブスカイト太陽電池の実装検証を開始
東京都庁展望室(左)およびコーシャハイム向原(右)での設置イメージ

 ペロブスカイト太陽電池は、軽量化が可能であり、照度の低いエリアや垂直設置でも発電ができるという特徴があり、既存のシリコン系太陽電池に代わる発電技術として注目を集めている。一方で、屋外や低照度の屋内での耐久性にはまだ課題がある。本検証では、ペロブスカイト太陽電池を搭載した、CO2や環境情報を取得できるリコー開発のセンサーを使用する。
 東京都庁においては、展望室にディスプレイと5個のセンサーを設置し、取得した温湿度およびCO2濃度をもとに換気や空調管理、混雑状況を把握するのに役立つデータとして展望室内でディスプレイに表示し、施設の維持管理および来場者の安心感醸成につながるソリューションとして検証する。
 サービス付き高齢者向け住宅である「コーシャハイム向原」では、廊下、共用部、居住個室など計5か所に設置の上、施設内の温湿度管理、および換気の目安とすることで、入居者の安全・安心な生活に役立てる。照度センサーの活用により、照明の点灯有無から安否確認を行うことも想定している。

 リコーは、複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用し、低照度の室内光でも発電する固体型色素増感太陽電池を世界で初めて販売している。また、2023年からはセブン-イレブン店舗において次世代太陽電池の実証実験を国内で初めて行い、大田区ともペロブスカイト太陽電池の実証実験を行うなど、積極的にペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでいる。今回の実装検証を通じて、ペロブスカイト太陽電池の早期事業化を目指す。